クック

 
 

クック
 
 
悲しみはふいにここにおとずれた
それを僕はポケットにしまいこんで
見えないように隠していた
 
窓の外は見慣れた街に変わる
突然すぎる別れ認めなきゃ
でもポケットに手が届かない
 
家に帰ったら
今日は僕を出迎えてくれない
どんな悲しみも覚悟するから
どうかいかないで
 
悲しみはとうに通り過ぎ去った
そこに僕は一人取り残され
ポケットの中抜け出せない
 
夜が明ける頃に家に着くから
今日は間に合うから
どんな苦しみも覚悟するから
おいていかないで
 
僕はまた瞼の奥で目が覚める
涙の声聞きたくない
 
目を閉じるたびに
また現れてすぐに消えてしまう
どんな喜びも感謝するから
もうどこにもいかないで
 
きっとこの心の
胸ポケットには君が住んでいる
どんな思いにでも触れていくから
もう離れないように

 


 
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