リーダーベース八田です!
毎月メンバーそれぞれが、〜不登校だった僕らから〜をテーマに記事を更新しています。
今回は、不登校だった当時、楽器をはじめたときの話です。
僕はベースの前にギターに興味を持ちました。
そして実は、ギターをはじめる前にドラムに興味を持っていました。
楽器をはじめたときのエピソードであまり話さなかったことですが、今回そのことに触れていきたいと思います。
「本物のドラムを叩きたいのなら、まずは3ヶ月間、枕を叩くことからはじめるべきだ」
これは、僕が子どもの頃にあるドラマーさんから言われた言葉です。
スティックを親に買ってもらい、自宅でしばらく枕を叩いていました。
そして、枕を叩くことが単純にまったく面白くなくて、ドラム熱は冷めていきました。
僕のドラム熱はそれほどのものだったのかもしれません。
最近そのことをふりかえって、思うことがありました。
僕はドラム熱を持ったことなどそもそもなかったのだと。
あったのは興味であって、そもそも触れたことなかったな‥と。
僕は、ドラム熱が冷めたわけではなくて、枕を叩くことの熱が冷めただけだったのです。
枕を3ヶ月叩き続けられない者には、ドラムをする資格などないと教わり、自分にはその資格がないと間違った理解をしていたのです。
今思うと、枕を叩くことが退屈になるのは、子どもとして、いや人として、正しい反応だったのだと思います。
枕は叩くものではありません。笑
例えば野球部に入り、最初のうちは練習も参加させてもらえずに球拾いばかり‥なんて根性論は昔はあったかもしれません。
それも変な話だなぁと思いますが、それと違う点は、球拾いをする段階の子たちはすでに野球の面白さを知っています。
その部で、自分の好きな野球がしたいから球拾いからでもいいと納得してやるのです。
だから、あのドラマーさんが僕に伝えるべきだった言葉は、
「本物のドラムを叩きたいのなら、3ヶ月間、枕を叩くことからはじめるべきだ」ではなく、
「私にドラムを習いたいのなら、3ヶ月間、枕を叩くことからはじめなさい」が正しかったのです絶対に。
その人に習いたい訳ではなかったから、他の場所を探していたかもしれません。
僕はそう言われ、真剣に楽器と向き合うということはそういうことで、厳しい世界なのだと解釈していました。
自分も真剣に楽器と向き合っていたら、いつかその感覚を持つのだとどこか憧れさえ感じていました。
バンド活動を真剣に続けてきましたが、その感覚が理解できないどころか、むしろ興味がある人には気軽に体験してほしいと思っています。
「好きなことが見つからない」という声を聞くことがあります。
必要なのは、好きなことを探す作業ではなく、興味を持ったことを”気軽にやってみる”体験だと思う。
できるだけハードルを下げて、色々なことに触れてみる。
知らないことを好きになるなんてこと絶対にありえないから。
まずは知らないことを知る。
興味があることに触れてみる。
そんな体験のお手伝いを、自分たちができる範囲でやってみよう。
最近、JERRYBEANSの中でそんな話をしています。
先月、仲間のこどもエンターテインメントが主催した不登校の子を対象とした居場所に参加しました。
そのときに、JERRYBEANSは演奏をすることになっていたので、楽器を持っていきました。
演奏するためにたまたま置いていた楽器でしたが、興味を持ってくれた参加者に体験してもらうという場面がありました。
僕たちが好きな楽器に興味を持ってくれることが嬉しいですし、楽器を通じて参加者と触れ合うのは僕たちにとっても楽しいことでした。
特にドラムが人気でした。
ドラムを体験される皆さんの様子を見て、僕は自分の不登校当時のことを思い出して、今回の記事を書きたくなりました。
そして、少しずつですが僕らも一緒に居場所作りをはじめることにしました。
しんどさを抱える人がホッと安心できる場になればいいなと思います。
楽器に興味のある人は是非体験してみてください。