あたたかいみそ汁

不登校だった僕らから

親にしてもらって一番嬉しかったことは?

ある不登校の子がその質問に対してこう答えた

「みそ汁」

たったその一言だった

僕はすごく共感した

僕も同じ気持ちを持っていると思えたから

不登校で一番苦しかった頃

自分の気持ちも言えず

ただ全てが怖くて

死ぬことばかり考えていた時

母が作ってくれたいつものみそ汁

その日の具は僕の好きな卵が入っていて

そのみそ汁を飲んだ時

すごくあったかくて

のどを通った時に

ふと「あぁ美味しい」と思って

気づいたら
涙が溢れてた

「
生きている」

無意識にそう実感したのかもしれない

母は何も言わなかったけど

涙を流してた

そして二人で黙って一緒にみそ汁を飲んだ

それは言葉じゃなく

慰めでもなく

ただのみそ汁だったけど

飾らないただのみそ汁だったからこそ

ひねくれた僕は救われたんだと思う

きっと母もそうだ

心ってすごくややこしくて

だからこそ

このみそ汁のようにシンプルな愛情に救われることがあるんだなって

今僕は思う

大切な人が苦しんでいる時

何をしてあげたらいいかわからない時

まずは一緒にあたたかいみそ汁を飲んでみる

本当はそんなことが一番のくすりになるのかもしれない

雄介

タイトルとURLをコピーしました