今を生きるたった一人の君へ

 
 

今を生きるたった一人の君へ
 
 
暗い部屋で一人ぼっち
息をしていることさえ
申し訳なくなるのは
 
もう自分では
どうすることもできないから
 
今の彼に必要なのは
なんの勇気だろう
生きる勇気
それとも死ぬ勇気
 
なんでこうなったんだ
彼はビルの屋上に向かう
僕はいやだ
僕はまだ信じたい
 
彼をむかえるものが
終わりなんかじゃなく
それはそれは
綺麗な朝日であることを
 
僕らにはまだ
残された「命」がある
それを無視するのが
正しいとは思えない
 
それでもまだまだ
心は容赦なく
僕らを試すから
「一人で」なんて無理なんだ
 
僕の何気ない日常が
彼らには地獄かもしれない
彼らの思う普通が
僕には苦痛かもしれない
 
ある人が言っていた
「優しさとはこの世で最も恐ろしい」と
 
だけど僕はその「優しさ」に
何度も何度も助けられてきた
あのとき僕はその「優しさ」に
この命を救われた
 
僕はいやだ
僕はまだ伝えたい
 
優しさの結末が
絶望なんかじゃなく
何にも何にも
代え難い笑顔だったと
 
僕らにはまだ
残された「今」がある
それを無視するのが
正しいとは思えない
 
それでもまだまだ
心は容赦なく
僕らを試すから
「一人で」なんて無理なんだ
 
僕らの心の壊れそうな
「助けて」
それを無視し続けて
生きられるとは思えない
 
それでも僕らは傷みを抱えて
一緒に笑えるから
「独りで」なんかいかないで

 


 
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