ポーカーフェイス
あるときある街にひどい不幸を背負った
男が一人で歩いていたんだ
男にはなにをしたって見せたって
決して笑うことはなかった
季節は春になってあたたかい風が
男に吹き荒れようとしている
だけど男の心の中には
まだ冷たい風が吹き荒れている
彼を見ていた街の人は笑いながらこう言った
「あいつは一生笑えないぞ」
おまえらなんてことを言っているんだ
そんなヤツは見たことないぞ
噂を聞きつけて道化師が現れた
「俺がそいつを絶対に笑わせてやる」
あるときある街にすごい人気者の
道化師が一人おりました
彼にはできないことなどなに一つなかったけれど
今一つだけできた
男をどうしても笑わせることができないんだ
なんとかしようとあの手この手
あぁ なんとか笑ってくれないか
おまえの笑顔が見たいんだ
俺の職業は人を笑わすこと
それができなけりゃ俺にはなんの価値もない
あるときある街にひどい不幸を背負った
男が一人で歩いていたんだ
男にはなにをしたって 見せたって
決して笑うことはないが
男をどうしても笑わせることできないから
なんとかしようとあの手この手
ダメだ なんとか笑ってくれないか
おまえの笑顔が見たいんだ
そう言うと道化師は覚悟決めた
なんとしてもこの手でおまえを‥
俺の職業は人を笑わすこと
それができぬ今なんの意味もない
いつかはこの手で いつかこの技で
おまえの動かない顔笑わせてやる
笑えないことは決していけないことではないけれど
悲しいことだって教えてあげたいだけなんだ