【果実】を書いた想い

曲のエピソード

史朗です。
昨日、自主企画も無事に終わり、まだ温かな余韻に浸っています。
お越しいただき本当にありがとうございました。
ステージに立つ度、今の僕がここに居れることを不思議に感じます。
偉そうなことを言ってしまうことがあると、心のなかでは『何言ってんねん!!』と自分にツッコミまくりです。
そして浮き沈みを繰り返し、いつも思い出すのです。

 

僕はただ、今まで人が僕にくれた優しさを返したいだけなんだと。
この世界も、人の心も見ようとすればするほど、深く暗い闇があることがわかります。
それでも僕が感じてきた人の温かさの中に未来を信じようと思える光を見てきました。

 

 

これからも心を感じながら、信じて歌っていこうと思います。
こんな僕らですが、いつも応援していただき本当にありがとうございます。

 

 

さて、今日は12月10日です。
12月4日からの人権週間最終日です。
びわ湖放送では毎年、人権週間を伝えるCMソングとして僕らの【果実】という曲を使っていただいています。
ありがたいことです。

 

 

今日はその【果実】という曲を作った時の想いを書きます。

 

 

 

 

果実は講演ライブでは歌わないときがないくらい毎回歌っている曲です。

 

 

実は果実のサビの1フレーズ、【どんな形でもいいのさ 見た目など気にしないで】の部分は雄介が10代の時に書いた曲の中の1フレーズでした。
僕はその曲が好きでよく歌っていました。

 

 

ですが、雄介はその曲が気に入らないらしく、僕が「バンドでやろう!」と言っても首を縦に振りませんでした。

 

 

それから時が経ち、その曲のことも忘れた頃、父がある病に罹りました。
免疫の関係で全身の毛が抜ける難病です。

 

昔から【格好良く、若く】と人一倍、見た目を気にする父でした。
あちこちの病院へ行って治療をしていることは母から聞いて知っていました。

 

でも父からその話を聞くことは一度もありませんでした。

 

 

すね毛や腕の毛が抜け落ちた頃、眉毛の見るからに薄くなり、父は家の中でも帽子を脱がなくなりました。
テレビをつければ、お笑いやバラエティー番組で【ハゲ!】という言葉が飛び交います。

 

 

その頃のうちの中では、そのお笑いが何より重いものでした。

 

 

僕はこれだけ側に居ながら、掛ける言葉も見つからずにいました。
いくら家族であっても、触れることができませんでした。

 

 

みるみる自信を失っていく父に伝えたい想いは沢山ありました。

 

 

そんな時、むかし雄介が歌ったあのフレーズが頭をよぎりました。

【どんな形でもいいのさ 見た目など気にしないで】
その時の僕にできることは、今の想いを歌うことだけでした。

 

雄介にあのフレーズをもらって曲を作り直していいかと聞くと雄介はこころよく「いいよ」と言ってくれました。

 

 

そして父へ向けての想いを込めて【果実】を完成させました。

 

 

どんなあなたであっても僕らの真ん中にある゛愛゛は何も変わったりしない。
あなたが生きていてくれたらそれだけでいい。

 

 

そして書きながら【他人の目】を気にするということについて考えていると、僕ら自身もどれだけそれを気にしてきたんだろうと思い知らされました。
そんなことを考えなくて良かったなら、僕らは不登校にもならなかったかもしれません。

 

もし誰もがそうであるのなら、この世界にいるすべての人が今日まで生きてこれたことは、とてもとても凄いことだと感じたのです。

 

 

ありがたいことに父の病は治療が早かった為に症状が悪化せず止まりました。

 

僕の想いが父に届いたかどうかはわかりません。

 

でもいつも心にこの言葉を置いています。

 

 

゛あなたが今生きている真実はこの世界の何よりも素晴らしい゛

 

 

史朗

 

 

 

 

果実

 

強い風の中で立っている
僕らはみんなと違わないように同じものを見て育った
うまく泣く事も笑う事も出来なくて一人でただ遠い空を見ていた

どんな形でもいいのさ
見た目など気にしないで
今君が生きている真実は
この世界で何よりも素晴らしい
何度も迷いながら歩いている
その道は誰とも違うから
君はしゃんと胸を張っていいのさ

あの日動けなかった足を
なんとか動かそうとして転んで飲み込んだ涙も
「何の為に産まれたんだろう」
小さく出来た心の穴をずっと見ていた

どんな形でもいいのさ
見た目など気にしないで
君が生きてこれた事は
この世界で何よりもすごいんだ
何度も転びながら
立ち上がれない夜があったとしたって
僕らはちゃんと近づいているから

小さな小さな僕らの世界の上
小さな事で景色は色を変える
君が産まれたあの日から
ゆっくりと回りだしんたんだ
雨が上がって架かる虹は
君だけに見える七色

強い風の中で立っている
誰の目にも触れる事のない
小さな花が凛として咲いていた

どんな形でもいいのさ
見た目など気にしないで
今君が生きている真実は
この世界で何よりも素晴らしい
何度も迷いながら歩いている
その道は誰とも違うから
君はしゃんと胸を張っていいのさ

 

 

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