そんなお母さんでありがとう

不登校だった僕らから




僕は不登校の時
沢山の人に助けられていました




だけど
誰か一人だけ選ばないといけなかったら
僕は迷わず母と答えます




そんなうちの母は
会話の中で時々「こんな親でごめんね」と言います




僕がまだ小さい頃
母は僕にひどいことをしたと言います




でも僕にその記憶はありません




むしろ僕は小さい頃
母は完璧な人だと思っていました




”お母さんは強いし優しいし凄い”




僕はそんな母が大好きでした
(きっと母はなるべく弱さを見せないようにしていたんだと思います)






でも僕が不登校になって
自分に自信が持てなくて苦しんでいた時




一番怖かったのはお母さんでした




そんな完璧なお母さんだから
弱くてダメな自分を比べて




僕はただ迷惑をかけるだけの人間なんだと思うようになりました




それでも母は必死でそんな僕を支えてくれました






僕が15歳になった時


父が失踪して


母が鬱病になりました






そこには僕の知っている完璧な母はいませんでした




ベッドの上でしんどくて動けなくなっている母が
ある日僕に泣きながら言いました




「何もお母さんらしいことしてあげられへんくてごめんな
でもしんどくてしんどくて
身体が動かへんねん
こんなお母さんでごめんな」




その言葉を聞きながら




こんなこと思ったらいけないのかもしれないけれど




僕は嬉しかった




僕と一緒で




母も一人の弱い人間だったのだと




いろんな気持ちはあったけど
嬉しくて涙が出ました






僕が伝えたいこと




それは
子どもは親の完璧を望んでいないということ




きっとあの時の僕のように思う子どもたちは沢山いて




親の弱さをみて
自分と同じだと共感して
ほっとする




完璧な親であろうとするほど
しんどくなってしまう子もいるんです






今僕は伝えています


母が「こんな親でごめんね」と言うたび




「そんなお母さんでありがとう」と




雄介

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